診断と治療の流れ
血糖値は食事と関係があります。食事をした後は、吸収されたブドウ糖が血液の中に入って血糖値が上がりますが、糖尿病のない人であればすぐにインスリンが分泌されて下がっていきます。
※イメージ図
糖尿病診断のための検査は、食事の影響によって変動する血糖値測定のタイミングを3つに分けたものです。
随時血糖検査
早朝空腹時血糖検査
75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)
1~4のいずれかが確認された場合は「糖尿病型」と判定する。
別の日に行った検査で、糖尿病型が再確認できれば糖尿病と診断できる。ただし、初回検査と再検査の少なくとも一方で、必ず血糖値の基準を満たしていることが必要で、HbA1cのみの反復検査による診断は不可。
1 早朝空腹時血糖値126mg/dL以上
2 75gOGTT2時間値200mg/dL以上
3 随時血糖値*200mg/dL以上
4 HbA1Cが6.5%以上
*随時血糖値:食事と採血時間との時間関係を問わないで測定した血糖値。糖負荷後の血糖値は除く。
5および6の血糖値が確認された場合は「正常型」と診断する。
5 早朝空腹時血糖値110mg/dL未満
6 75gOGTT2時間値140mg/dL未満
日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療ガイド2022-2023, 文光堂, 24-27, 2022
日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療ガイド2022-2023, 文光堂, 28, 2022
糖尿病の診断基準には、「糖尿病型」、「正常型」いずれにも該当しない「境界型」というグループがあります。
「境界型」といっても「糖尿病型」ではないから安心?残念ながら、そういうことではないのです。
「境界型耐糖能異常」は、将来、糖尿病になる可能性が高いため、6ヵ月~1年ごとに検査することが推奨されています。
また、動脈硬化へも影響をおよぼし、心筋梗塞や脳梗塞になるリスクが高くなると言われています。
このようなリスクを避けるため、「境界型耐糖能異常」の人でも、食事や運動などの生活習慣を見直し、血糖値の改善をめざすことをおすすめします。
河盛隆造、綿田裕孝 編:インフォームドコンセントのための図説シリーズ 糖尿病 改訂版 医薬ジャーナル社 ,19, 2017
監修:順天堂大学 名誉教授 河盛 隆造 先生