診断と治療の流れ

診断のための問診について

糖尿病は自覚症状がほとんどないのが特徴です。そのため、定期健診や人間ドックで行われている問診、尿検査、血液検査などが糖尿病早期発見の目安となります。

最終的に糖尿病と診断するには、病院(専門医)に受診してさらにくわしく調べることが必要です。この段階ではまだ「糖尿病の疑いがある」状態ですから、そのままにしないで必ず糖尿病診断のための検査を受けましょう。

問診からわかることは?

遺伝的因子を調べます

糖尿病になりやすい素質をもっているかどうかを確認します。

  • 家族(父、母、兄、弟、姉、妹など)に糖尿病の人はいませんか?
  • 家族に肥満の人はいませんか?

環境因子を調べます

どの程度の環境因子がそろっているかを確認します。

  • 食生活や仕事の状況、お酒の飲みすぎがないか、ストレス、睡眠不足、運動不足がないか、太ってきたか、過去に太っていたかなどについて質問されます。

自覚症状について調べます

下記のような自覚症状がある場合、糖尿病が進行している可能性があります。

  • のどが渇きませんか?
  • 最近やせてきていませんか?
  • 疲れやすさ、だるさを感じることがありませんか?
  • めまいがするほどお腹がすきませんか?
  • トイレが近いことはありませんか? など

糖尿病発症に影響する病気や女性の場合は妊娠・出産経験があるかどうかを調べます

  • すい臓病、肝臓病、内分泌の病気になったり、胃を切除したことはありますか?
  • 妊娠したときに、尿糖陽性、妊娠糖尿病はありましたか?
  • 赤ちゃんは4,000g以上の巨大児や低体重児ではありませんでしたか?

合併症があるかどうかを調べます

下記のような自覚症状がある場合、大血管障害、神経障害や網膜症、腎症が発症している可能性があります。

  • 手や足がしびれませんか?
  • 皮膚にさわったとき異常な感じがありませんか?
  • 目が見えにくいことはありませんか?
  • 顔や手足にむくみはありませんか? など

監修:順天堂大学 名誉教授 河盛 隆造 先生