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シニアの方

すでに退職していて自分のペースで生活しているが、運動不足になりがち。
他にも薬を服用している。

インスリン治療を勧められた。糖尿病が末期になった?

長年、飲み薬で糖尿病治療を続けています。
自分の年齢を考えると、インスリン治療を勧められたということは、
糖尿病が末期になったという印象を受けるのですが…。

伊藤裕之先生

インスリン治療=糖尿病が重症!、インスリン治療=一生もの!、インスリン治療=面倒くさそうだし、痛そう!…など、様々なイメージをお持ちかと思いますが、これらは全く誤った認識です。

インスリンは血糖値を調整するホルモンであり、すい臓から分泌されます。すい臓が過剰に働くと疲れてしまい、インスリンの分泌量が低下してしまうことが多々あります。

インスリンが不足すると、血液中のブドウ糖が筋肉や各臓器の細胞に取り込まれなくなり、血糖値が上昇します。そのため、飲み薬やインスリン注射を使って血糖値を下げる必要があります。

糖尿病の治療の目標は、できる限り正常な血糖コントロールを維持し、血圧、体重、血清脂質の適切なコントロールにより網膜症、腎症、神経障害などの細小血管合併症、虚血性心疾患、閉塞性動脈硬化症、脳血管障害の発症・進展を阻止し、糖尿病ではない人たちと同じ生活の質と寿命を確保することにあります。

適切な時期にインスリン治療を始めることで、血糖コントロールが改善し、すい臓が疲労状態から回復し、徐々にインスリンの分泌量が増えてくる患者さんがいます。そして、自身のインスリン分泌が回復すると、インスリン治療から離脱する方も多くいます。

インスリン治療は「末期の治療」ではなく、合併症を予防するために、適切な血糖コントロールをより長く実現するための1つの治療法にすぎません。だからこそ、「インスリン治療を始めたから糖尿病が末期になった…」などと特別視するのではなく、前向きに考えていただければと思います。

先生からのメッセージ

糖尿病について、患者さんの中で間違った認識が広がっているケースは少なくありません。
「インスリン治療=糖尿病末期」もその1つといえます。長年飲み薬での治療を続けていらっしゃるようですので、インスリン治療も飲み薬の延長ととらえてみるのはいかがでしょうか?場合によっては、飲み薬のときよりも、お薬の種類が減ることもあります。正しい情報を入手し、良好な血糖コントロールを保ちながら糖尿病とうまく付き合っていくことが大切です。分からないこと、不安なことがあれば、主治医の先生に積極的に聞いてみてください。

伊藤裕之先生

伊藤裕之先生

施設名:社会福祉法人 仁生社 江戸川病院
診療科:内科(糖尿病・代謝・腎臓内科)

社会福祉法人 仁生社 江戸川病院

〒133-0052
東京都江戸川区東小岩2-24-18
Tel:03-3673-1221

監修:東京医科大学 内科学第三講座 主任教授 小田原 雅人 先生

最終更新日:2019年12月2日Zinc Code:SAJP.DIA.19.11.3967

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