DMTOWN Q&A

シニアの方

すでに退職していて自分のペースで生活しているが、運動不足になりがち。
他にも薬を服用している。

治療を始めてもゴルフなどは楽しめる?

仕事を退職し、昔の仲間とのたまのゴルフを楽しみにしています。
インスリン治療を始めても、ゴルフなどは続けることができますか?

矢賀健先生

ゴルフが好きでらっしゃるのですね。病気になっても無理のない範囲で「楽しみ」は変わらず続けることがよいと思います。また、ゴルフなどの運動は血糖値を下げるだけでなく、肥満を予防する、インスリンの働きを良くする、血圧を下げる、ストレス解消など、糖尿病の治療という意味でも様々な効果があるので、ぜひ続けてください。

ただし、比較的静かなスポーツと思われがちですが、ゴルフは思ったよりも激しい運動になります。運動することで人は体内の糖分をエネルギーとして消費し、血糖値が下がることが多いため、食事やインスリン注射のタイミングによっては、運動中に"発汗"や"動機"、"頭痛"などの低血糖の症状が現れることがあります。このようなときは、すぐに砂糖やブドウ糖(清涼飲料水などによく含まれています)を摂取するようにしましょう。また、周囲の人にインスリン治療中であることを伝えておく、自分が糖尿病であることを知らせる糖尿病カード(日本糖尿病協会が発行している糖尿病患者用IDカード)を携帯しておくなど、万一のときに備えておくことも心掛けておくとよいでしょう。

糖尿病カード(糖尿病患者用IDカード)
糖尿病患者カード イメージ
※イラストはイメージです

いずれにせよ、スポーツを行う回数や気をつけるべきポイントについて主治医の先生によく相談し、無理なく続けられるようにしましょう。最後に、ラウンドする合間に水分補給をする、インスリン注射の内容や病気の症状に合わせて何か捕食をするなど、細かな状況を主治医の先生と最初に相談することをお勧めします。

先生からのメッセージ

近年インスリン治療薬も非常に進歩しており、低血糖になるのが比較的少ないタイプのインスリン治療薬も登場してきています。
さらに、実は使い方によっては飲み薬のみで治療しているときよりも低血糖の頻度が減る可能性もあるのです。運動を楽しみ続けたいけれど、インスリン治療は低血糖が不安と感じられる方は、ぜひ主治医の先生にご相談いただけたら幸いです。
糖尿病治療の目標は、患者さんが合併症を発症せずに、日常生活をいつまでも変わらず送っていただくことにあります。インスリン治療はそのための手法のひとつであり、特別な治療法ではないのです。ゴルフなどの趣味を続け充実した日々を過ごすためにも、ぜひ一緒に良好な血糖管理を目指していきましょう!

矢賀健先生

矢賀健先生

施設名:山陽小野田市民病院
診療科:内科

山陽小野田市民病院

〒756-0088
山口県山陽小野田市大字東高泊1863-1
Tel:0836-83-2355(代表)