経口血糖降下薬による治療
自覚症状がないため気づかずに放置されていることが多く、学校の健康診断で尿糖が陽性として見つかったり、肥満の場合は肥満検診でみつかることがほとんどです。
また、子どもの2型糖尿病は自身が肥満であることのほかに、家族や血縁者に2型糖尿病の方がいることが多い(遺伝的な要因が強い)ことがわかっています。子どもの2型糖尿病では、肥満の子ども・肥満でない子どものどちらもインスリン分泌する働きはあるもの、インスリンの働きが悪い(インスリン抵抗性が強い)タイプの2型糖尿病の場合が多く、高インスリン血症、食後高血糖の状態にあります。
厚生労働省策定 日本人の食事摂取基準2020
(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586556.pdf)
田嶼 尚子:よくわかる最新医学 小児糖尿病 ヤング糖尿病 主婦の友社, 60・82・86-87・96・112・122-124, 2009
治療の基本は食事療法・運動療法ですので、薬物治療はあくまで血糖管理がうまくいかない場合などの補助的な役割とされますが、食事療法・運動療法のみで血糖管理の目標を達成できない場合は、積極的に薬物療法を考慮します。
子どもの2型糖尿病の治療薬は、子どもを対象とした試験は実施されていませんのでエビデンスに基づいた目標は設定されておらず、現時点では、経口血糖降下薬の選択において確立された基準はありません。
監修:順天堂大学 名誉教授 河盛 隆造 先生