経口血糖降下薬による治療

イメグリミン

イメグリミン

膵臓でのインスリン分泌低下、肝臓や筋肉などでのインスリン抵抗性が進んでしまう要因の一つとして、ミトコンドリアの機能異常が指摘されています。イメグリミンはミトコンドリアへの作用を介して、血糖値に応じたインスリンの分泌を促す作用と、インスリン抵抗性を改善する作用により血糖値を改善する薬剤です。通常は1日2回服用します。注意点として、ピグアナイド薬とは作用機序が一部共有している可能性があり、両剤の併用により消化器症状が多く認められたことからその併用は慎重に行うこと、インスリン、SU薬、グリ二ド薬との併用は低血糖のリスクが高まる可能性があるため、これらの薬剤との併用に際しては減量を検討すること、があげられています。また、eGFRが45mL/分/1.73m2未満の腎機能障害患者(透析患者を含む)さんへの投与は推奨されていません。

<各薬剤共通の注意点>

血糖管理がよくなったからといって自己判断で服薬を中止してしまうことは決してしないでください。血糖管理が順調なのは、食事療法・運動療法と、服薬している薬が上手く機能しているからです。薬の量を減らす、増やす、止めるなどの判断は、医師が患者さんの状態にあわせてその都度適切な処方をしていますので、必ず医師の指示に従うようにしましょう。
もし、今、服薬している薬について少しでも不安や疑問があれば、遠慮せずに主治医または薬剤師に相談するようにしましょう。安心して、信頼して薬が飲めることも、治療の継続と成功への大切な要素であることを知っておきましょう。

監修:順天堂大学 名誉教授 河盛 隆造 先生