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インスリン治療は最後の治療法?

久しぶりに健康診断を受けて糖尿病といわれ、すぐにインスリンでの治療を勧められました。
インスリン治療と聞くと、最後の治療法のイメージがあるのですが、
最初からすることもあるのでしょうか?

比嘉盛丈先生

インスリン治療と聞くと、どうしてもネガティブな印象をもたれる方がたくさんいらっしゃいますが、「働き過ぎのすい臓を休ませてあげる」ためにインスリン治療を治療の初期から開始することも、最近では、少なくはありません。

人は、食事などで摂取するエネルギーが変換された血液中のブドウ糖(血糖)を、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンの働きによって筋肉などへ取り込み、生活の中で活用しています。ここで、糖尿病の患者さんでは、血糖値が通常よりも高い状態にあるためにすい臓が血糖値を下げようと過剰に働きすぎてしまうことで、むしろインスリンを分泌する力が弱まっていくことがあります。ここで大切なのは、すい臓が働けなくなったというわけではなく、弱っていることも多いということなのです。そのため、最近では「糖尿病患者さんの働き過ぎたすい臓を休ませてあげよう」という考えのもと、非常に血糖値が高い状態で糖尿病が発見された方などでは、治療の早い段階でインスリンを体外から補充するインスリン治療が始められるようになってきました。こうしてインスリン治療を始めた患者さんの中には、疲れがとれたすい臓からインスリンの分泌量が増えてきて、飲み薬だけの治療に戻れた方もいらっしゃいます。また、最近の研究で「インスリン治療により将来起こりうる心筋梗塞や脳梗塞といった糖尿病の合併症から体を守ることができる1)」ということが分かってきたことで、より治療早期からインスリン治療を開始する傾向は、世界的にみても広がってきています。

いきなりインスリンを勧められて驚かれているかと思いますが、インスリン治療の役割を考え、不安や疑問に思われることは、ぜひ主治医の先生にご相談されて、前向きに考えていただければと思います。

1)Ohkubo Y et al; Diabetes Res Clin Pract. 28(2):103-17,1995

先生からのメッセージ

例えば昼食後に掃除や洗濯をすると、思いのほかの重労働で肩が凝ったり腰が痛くなったりすることがあると思います。そんなときのティータイムは、夕方の買い物や夕食の準備に向けたよい休憩時間になります。それと同じように、糖尿病でもすい臓を休ませてあげることがとても大切なのです。インスリン注射をすい臓のティータイムと考え、治療を始めてみてはいかがでしょうか。

比嘉盛丈先生

比嘉盛丈先生

施設名:社会医療法人友愛会 豊見城中央病院
糖尿病・生活習慣病センター
専門領域:糖尿病・代謝内分泌科

社会医療法人友愛会 豊見城中央病院

〒901-0243
沖縄県豊見城市字上田25番地
Tel:098-850-3811(代表)

監修:東京医科大学 内科学第三講座 主任教授 小田原 雅人 先生

最終更新日:2019年12月2日Zinc Code:SAJP.DIA.19.11.3967

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