DMTOWN Q&A

勤務時間が不規則な方

交代制の勤務や徹夜の作業で、昼と夜が逆転しがち。
規則的な食事・睡眠をとることが難しい。

夜の仕事で頻繁な通院や入院が困難です

夜の仕事への影響や睡眠時間を考えると、
日中に通院回数が増えることや、急な入院が困難です。
このような状況でインスリン治療は可能ですか?

藤田成裕先生

このようなケースでもインスリン治療は可能です。基本的にこれまでと同様の通院で継続治療ができると思います。正直にいうと、糖尿病専門医の立場としては、インスリン治療開始時には、インスリン治療やその進め方について十分に説明し、相談しながら進めていくためだけではなく、病気や日々の生活習慣について改めて考えていただく機会として、一度、入院していただくことが理想的だと考えています。しかし、あなたのように夜に勤務されている方や勤務時間が不規則な方では、まとまった休暇がとりにくいため、治療開始時に入院していただくのは、難しいケースもよくみられます。

こうした患者さんに対しては、入院せずに、外来で始められるインスリン治療もありますので、そちらをお勧めしています。BOT(Basal Supported Oral Therapy)という方法で、飲み薬を継続したまま1日1回朝または就寝前に「持効型」のインスリン注射を追加する方法です。この「持効型」のインスリンは作用する時間にピークがみられず、24時間一定の効果を保つタイプであるため、比較的用量調節がしやすく、外来でも治療開始が可能です。

ただし、治療開始当初は、あなたの病態に合わせて投与量の調節が必要ですので、通院する回数は多くなることもありますが、投与量の調整がすめば、いままでと同じ通院で治療を続けることができると思います。

まずは、主治医の先生に相談し、インスリン治療を始めてみてください。

先生からのメッセージ

昼夜が逆転した仕事をされている方では、通院できる時間帯が大切な睡眠時間という場合も多く、そんな中、お時間をつくって診察に来られる方には、本当に申し訳ないと感じることがあります。
しかし、合併症を予防し、いつまでも今と変わらぬ日々を過ごしていただくためにも、時間のつくり方や治療法についても、職場や家族、主治医の先生に相談し、協力を得ながら、うまく治療を続けてください。
インスリン治療は、あなたのライフスタイルに合わせて、糖尿病治療をサポートしてくれるはずです。

藤田成裕先生

藤田成裕先生

日本赤十字社 長崎原爆病院 糖尿病・内分泌内科部長
診療科:内分泌・代謝内科

日本赤十字社 長崎原爆病院

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