DMTOWN Q&A

デスクワーク中心の方

デスクワークや会議が多く、運動不足になりがち。同僚との付き合いが多く、
偏った食事になってしまう。

昼も注射を打たなくてはいけない?

平日の昼食は、会社の外へ食べに行くことが多いのですが、
昼は必ず注射を打たないといけませんか。

矢野まゆみ先生

デスクワークが中心の方だと、昼食は外で食べられることも多いと思います。昼にインスリン注射を打たなければならない場合、自宅などで打つことができるときはいいのですが、外出時のインスリン注射には多くの方が抵抗感を持たれます。

もしあなたが、主治医の先生から昼にもインスリンを打つように処方された場合、良好な血糖管理を保つためには、昼にもインスリンを打つ治療法があなたにとってベストでしょう。

もしあなたが、初めてインスリンを打つことになり、インスリン注射器を持ち歩くことに抵抗感を持っているのであれば、まずはインスリン注射器を見て、触ってみてください。

インスリン注射器

このイラストにあるように、インスリン注射器の大きさは万年筆を少し大きくしたくらいで、ペンの形になっており、一般的な注射器のイメージとはかなり違っています。しかも軽くて、通勤やお昼休みの外出時もポケットやバッグに入れて簡単に持ち運びができます。

もしあなたが人前でのインスリン注射は避けたいと考え、どこで、どのタイミングでインスリンを打ったらいいかわからないため、昼にインスリンを打つことに抵抗感があるのならば、食事をオーダーした後にパウダールームやトイレに立って、食前から食直前に打ってください。食直後に打つ方法もありますが、この場合、食後の血糖上昇のおさえは不十分になり、打つタイミングが遅すぎると食後に低血糖を起こすことがあり、注意が必要です。

また、インスリン製剤にもたくさんの種類があり、食事のタイミングに合わせて注射する方法以外にも、1日1回の注射で長時間作用が持続するインスリンと内服薬を組み合わせるBOT(Basal-Supported Oral Therapy)と呼ばれる治療法や、昼にインスリンを打たずに、インスリンと内服薬との組み合わせ方で血糖管理を行う方法もあります。これらの場合、インスリンを昼に持ち歩く必要はありません。 インスリン治療はあなたの糖尿病のタイプや生活状況に合わせて選択していきます。昼にインスリンを打つことが困難な場合、主治医の先生と相談をしてみてください。

先生からのメッセージ

自宅でインスリン注射ができる場合はいいのですが、外食時や旅行中にインスリンを打つことへの抵抗感は、最初はみなさん持たれるものです。
もしあなたが、人前でのインスリン注射に抵抗感を持たれているのであれば、すでにインスリン治療をしている患者さんに“あなたはどうされていますか?”と尋ねてみてください。私の外来では、患者さん同士でお話をして頂いています。インスリン注射で治療している先輩達とちょっと話をするだけで、最初にあった抵抗感が解消され、“インスリンとうまく付き合うコツ”を教えてもらえます。

矢野まゆみ先生

矢野まゆみ先生

施設名:医療法人社団 杜の木会 もりの木クリニック
診療科:内科

医療法人社団 杜の木会 もりの木クリニック

〒861-8039
熊本県熊本市東区長嶺南3-8-112
Tel:096-387-3212