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私と糖尿病のつきあいは、8年くらいです。私と兄の染太郎との芸は、もとは伊勢神楽という、伊勢神宮から始まった、歴史のある芸。少しでも多くの方に見ていただきたいと、寄席や地方講演、テレビ出演と、忙しい日々を過ごしていました。体を使うハードな仕事なので、焼き肉などを食べて力をつけ、コーヒーを何杯も飲み、すごい勢いで舞台に出ていって、一生懸命に芸を演じる。舞台が終わったら、またたくさん食べて・・その繰り返しでした。ものすごく汗をかいて、これだけ体を使っているんだから、糖尿病にはならないだろうと思っていたんですよ。ところがある日、過労で本番中に倒れてしまいました。神経の使いすぎも原因でしょう。その証拠に、兄は大丈夫でしたからね。私に道具を渡しているだけなので(笑)。
病院で検査をしたら、自律神経失調症でした。この病気は治りにくく、お医者さんも嫌うんですが、とにかく全部調べてみようと。そこで、血糖値が非常に高いのが見つかりましてね。「糖尿病ですね。まず、糖尿病を治療しましょう」って、お医者さんに大変喜ばれました(笑)。
「食べちゃいけない」と言われるのがつらくて、教育入院を延ばしていましたが、血糖値が300mg/dLを超えてしまったことと、お医者さんに「5年もこの状態が続いているのなら、そろそろ目や心臓にきます。入院したほうがいい」といわれて、2週間の教育入院をしました。失明したら、芸ができなくなる。何より芸を続けていくために、頭に合併症の怖さをたたき込もうと、ベッドで糖尿病の本を何冊も読みました。その恐怖で、食事もがまんできるし、食事の適量も身につきましたから、結果的に教育入院はよかったですね。
退院後から何年間も気をつけているのは、食事を規則正しくとること。朝食は7時、昼食は12時、夕食は6時半。その時間に出番が重なるなら、なるべく近い時間に食べます。家内が作ってくれた小さめのおむすびと、血糖値が上がりにくいゆで卵と、トマトジュース。これを楽屋のすみや、移動中などに食べています。そのかいがあって、現在は血糖値も安定した状態を保っています。
運動は、散歩を毎日約1時間、時間のあるときに。近所の公園に道具を持っていき、芸の練習をすることもあります。でも、体操などはしていません。舞台のために、エネルギーをとっておかねばなりませんから。
私たちが舞台上から「おめでとうございます」と語りかけ、「ありがとうございます」と返してくれるお客様がいる限り、食事のコントロールは続けていきたいですね。
「糖尿病の方へ」
お医者さんの言うとおり、食事療法を実践してください。信じてがんばれば私のように、糖尿病は必ず改善します。皆様が私たちの芸をご覧になったとき、「あいつもがんばっているから、自分だって」と思っていただけたらうれしいですね。
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