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糖尿病合併症を知りましょう

慢性合併症

糖尿病腎症

腎臓には、体に必要なものと不必要なものとを分けるろ過機能があります。このろ過機能は、毛細血管がたくさん集まっていて、糸球体と呼ばれています。体に必要なたんぱく質やミネラル類などは糸球体を通過せずに、もう一度体の中に戻されます。そして、必要ではないものは老廃物として尿と一緒に排出されます。ところが、糖尿病で高血糖状態が続くと、血管が硬くなる(動脈硬化)などのダメージを受けるため、ろ過がうまく機能しなくなります。その結果、尿中に蛋白が漏れ出したり、老廃物がきちんと排泄できなくなったりします。最終的には腎臓が機能しなくなる腎不全になり、腎機能の代わりとして人工透析をしなくてはならなくなることもあります。

病期別の治療

糖尿病腎症は尿中への蛋白漏出量、クレアチニンクリアランス(Ccr)や血清クレアチニン(Cr)の値によって病気の進展状態(病期)が5つに分けられています。この病期に応じて食事療法・運動療法、生活の改善を行うようにします。


慢性腎臓病(CKD)

慢性腎臓病がもともとある患者さんでは、慢性腎不全への進展や心血管病が発症するリスクが高くなっています。また糖尿病では、腎症の初期にみられる微量アルブミン尿の排泄が認められないままに腎機能が低下してしまい、病気の発症や進展に気づかないことがあります。ですから、慢性腎臓病のある場合には、より厳格な血糖コントロールに加えて、血圧や脂質管理、肥満の是正や禁煙を行い、場合によっては蛋白制限をして、病気の発症・進展を防ぎます。


糖尿病腎症と高血圧、蛋白尿

糖尿病では血管の拡張が起こり、糸球体の血流増加や血管内の圧力が上昇します。さらにそこに高血圧が加わると、蛋白尿が悪化していきます。蛋白尿が多いと腎機能の低下速度は速まりますので、十分に降圧をして蛋白尿を減少させることが大切です。高血圧が十分にコントロールできると、腎症の進行は抑制されます。降圧には、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)やアンジオテンシンU受容体拮抗薬(ARB)が第一選択で用いられています。


人工透析開始後の糖尿病薬物治療

腎不全にまで進展すると、腎不全は全身浮腫、心不全などを伴うことが多くなり、状態によって人工透析が考慮されます。 人工透析の患者さんは、腎機能が正常な患者さんとは薬物動態が大きく異なります。そのため、基本的には糖尿病治療は経口血糖降下薬ではなくインスリン療法となります。

糖尿病神経障害

糖尿病で高血糖状態が続くと、神経細胞における代謝異常が起きたり、細い血管(細小血管)の血流が悪くなって神経細胞に酸素や栄養が行きわたらなくなって神経障害が起こります。
糖尿病で高血糖状態が続くと、神経細胞における代謝異常が起こったり、細い血管(細小血管)の血流が悪くなり神経細胞に酸素や栄養が行きわたらなくなって神経障害が起こります。糖尿病神経障害は大きく多発神経障害(広汎性左右対称性神経障害)と単神経障害に分けられ、多発神経障害の症状がよくみられます。


多発神経障害(広汎性左右対称性神経障害)の症状・治療

主に両足に感覚神経障害と自律神経障害の症状がみられます。厳格な血糖コントロールを行えれば発症や進展は予防できますが、病気が進行してしまうと知覚が低下して糖尿病足病変の原因になっていきます。神経障害は、糖尿病以外の病気が原因で起きることもあるので、治療に入るときには糖尿病が原因かどうかの鑑別診断がまず行われます。

感覚神経障害

両足の感覚障害(しびれ、こむら返り、疼痛、感覚低下、異常感覚)が代表的な自覚症状です。足先は神経の末端部分になるのでここに症状が一番にあらわれることが多く、安静時や夜間に痛んだり、両側の同じところに症状がみられます。長期間血糖コントロールが不良な場合では、急速に血糖値が改善したときに痛みを起こすことがあります(治療後神経障害)。アルドース還元酵素阻害薬は自覚症状を改善して神経機能の悪化を抑える働きがあります。また、両下肢に自発痛(穿刺痛、電撃痛、灼熱痛など)がある場合は、抗不整脈薬、抗けいれん薬、三環系抗うつ薬などや、軽症では非ステロイド系消炎鎮痛薬が用いられます。

自律神経障害

自律神経は内臓の活動や体温調節、血圧維持など、生きていくためのさまざまな機能を調節する神経です。自律神経が障害されると以下のような症状が引き起こされます。
・血管運動神経機能の障害による起立時のめまいや起立性低血圧がみられます。糖尿病腎症による腎性貧血が原因のこともあります。血管収縮薬などが用いられます。
・消化管運動神経機能の低下による嘔気、嘔吐、便秘、下痢などの消化管症状がみられます。明らかな体重減少を引き起こすこともあります。
・膀胱の感覚神経障害による尿意の低下や消失や、排尿筋収縮力の低下による残尿があり、残尿、尿路感染症の合併などがみられます。排尿障害の症状はゆっくりと現れるので尿閉になるまで気づかないこともありますので、排尿回数や排尿量のチェックを行って異常をみつけるようにしています。
・勃起障害(ED)がみられます。禁煙、過度の飲酒を控えます。また、シルデナフィルクエン酸塩やバルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィルが用いられます。


単神経障害の症状・治療

神経に栄養を送る血管が塞がってしまい、突然、脳神経麻痺が起こります。動眼神経・滑車神経・外転神経の障害による外転筋の麻痺や顔面神経の麻痺が多くみられます。糖尿病にかかっている年数や血糖コントロールとは相関せず、ストレスの解消や休養、薬物療法などで、他の神経障害に比べて自然に治る確率の高い障害です。

糖尿病網膜症

眼の奥にある組織の網膜は細かい血管が全体に張りめぐらされています。糖尿病で高血糖状態が続くと血管はダメージを受け、血液の流れが悪くなっていきます。そのため細かい血管が密集している網膜は、高血糖による血管のダメージを敏感に受けとって、変性や血液成分が血管から漏れ出したりして出血、白斑、網膜浮腫などが起こります。最終的には視力障害や失明に至ることもあります。


病期別の治療

糖尿病網膜症は病気の進展状態により正常状態を含めて4つの病期に分けられており、病期に応じた対応が行われます。

早期の網膜症(正常、単純網膜症)に対する対応

厳格な血糖コントロールが網膜症の発症・進展を抑制します。できる限り良好な血糖コントロールの維持に努めます。また、高血圧などのその他の疾患の治療をきちんと行うことで病状の進展を抑えることができます。進行した際にみられる黄斑部の浮腫は、単純網膜症の病期にも起こることがあり、このときには視力の低下がみられます。

進行した網膜症(増殖前網膜症、増殖網膜症)に対する対応

眼科医による治療が必要です。失明を防ぐために光凝固療法を行って進行を阻止または遅らせます。硝子体手術は硝子体出血と網膜剥離の治療として用いられます。
一方で、すでに網膜症がみられているときに、急激に血糖コントロールを行うと網膜症が悪化することがあります。この場合は、ゆっくりと目標値までコントロールしていきます。


定期的な眼科検診

糖尿病と診断されたら、眼科で定期的に糖尿病網膜症になっていないか診察を受けます。一般的に定期診察は正常から単純網膜症の初期は年1回、単純網膜症の中期以降は3〜6ヵ月に1回、増殖前網膜症以降は状態によって1〜2ヵ月に1回と目安とします。また、糖尿病の発症時期を特定しにくい2型糖尿病では、糖尿病の診断が確定して治療をはじめる前、3ヵ月、6ヵ月後に眼底検査を行います。


糖尿病網膜症と運動

軽度の単純網膜症であれば特に運動は制限されませんので、通常の運動療法を行います。ただし、点状出血や黄斑浮腫がみられたり、また増殖前網膜症の場合は血圧への影響が少ない軽い運動にします。力む、頭を強く振る運動など血圧の上昇や頭部の血流が増えるともろくなっている網膜の血管がダメージを受けて眼底出血や硝子体出血を起こすことがあります。増殖網膜症では積極的な運動は避けたほうがよいですが、日常生活上の制限はありません。
眼科で適切な治療を受けて網膜症の進展が止まれば運動療法を再開します。


糖尿病網膜症と高血圧

高血圧は糖尿病網膜症の発症・進展にかかわる大きな原因の一つです。ですので、高血圧を合併している場合などは、積極的に高血圧治療、血圧管理を行います。高血圧には降圧薬の投与が有用です。

動脈硬化性疾患

糖尿病は動脈硬化を発症・進展させる大きな原因の一つです。軽度の高血糖でも動脈硬化を引き起こしたり、進展を早める原因になります。さらに、動脈硬化は腹部肥満を基礎に高血圧、脂質異常症を合併したメタボリックシンドローム、喫煙によりその危険性はより高まります。


冠動脈硬化症

冠動脈に動脈硬化が起こると、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患を引き起こします。
虚血性心疾患の予防は、糖尿病発症前の耐糖能異常がみられたときから食事療法・運動療法による生活改善を行って、糖尿病だけでなく高血圧、脂質異常症などについてもできるだけ早期にそれぞれの目標値を目指してコントロールすることです。

急性心筋梗塞

はっきりした症状がないことが多く、発見されたときにはすでに進行していて心不全や不整脈を起こしやすい状態になっています。ケトーシスや原因不明の血糖コントロールの悪化、下腿浮腫や肺水腫、いつもと違う不整脈、心電図の変化がみられる時には急性心筋梗塞が疑われます。


脳血管障害

脳の血管に動脈硬化が起こると、脳血栓症や脳塞栓症などの脳梗塞を引き起こしやすくなります。全体に小さな梗塞がたくさんできる傾向があり、一時的な脳虚血発作や軽い麻痺を繰り返して脳血管性の認知症に陥ることがあります。
急性期の脳梗塞では原則発症から2週間は降圧薬の治療を行わず、低血糖に注意しながら徐々に厳格に血糖をコントロールしていきます。
脳血管障害の予防には、早期から良好な血糖コントロールを維持し、十分に高血圧も治療することが重要です。


下肢閉塞性動脈硬化症

足の血管の動脈硬化で、糖尿病に特有ではありませんが高頻度にみられる合併症です。 休みながらでないと歩けなくなる間歇性跛行や足潰瘍・壊疽を起こし、重症になると足を切断しなければならなくこともあります。 下肢閉塞性動脈硬化症の治療にはFontaine分類が用いられ、病期に応じた治療を行っていきます。

間欠性跛行は、しばらく歩くと下肢のだるさや痛みなどから歩けなくなり、しばらく休むと再び歩けるといった症状がみられます(閉塞性動脈硬化症 ガイドラインより)。脊髄疾患でもみられることがありますが、多くの場合、糖尿病患者さんでは膝下で起こります。 糖尿病神経障害を合併していると痛みが感じにくくなるため、動脈硬化の発見は遅れがちになりやすく、重症化して足潰瘍・壊疽まで進行すると外科的治療が必須になります。

糖尿病足病変

糖尿病足病変は、末梢の糖尿病神経障害による痛みの麻痺や微小血管の血行障害、閉塞性動脈硬化症、糖尿病による免疫低下などが複合的に絡み合い、外傷や感染、加重などの刺激によって足にあらわれる病変のことをいいます。足指や爪の白癬症、足の変形、胼胝(ベンチ:タコのこと)、足潰瘍・壊疽などが含まれます。


病期別の治療

足潰瘍は病期の状態にあわせて治療を行います。一般的にWagnerの足潰瘍分類が用いられますが、潰瘍の深さによって分類されています。1度以上になると何らかの外科的処置が検討され、4度以上になると壊疽の状態で、早急に整形外科、形成外科などによる処置が必要になります。


重症化を未然に防ぐためのフットケア

潰瘍や壊疽を起こす直接的な原因は、神経障害によって痛みの感覚が麻痺していることです。ちょっとしたキズやコタツやストーブの接触などによる熱傷などに気づかないことで外傷の治療が遅れたり、皮膚が厚くなる角質化や胼胝に亀裂が起きたり、足の変形による圧迫や靴擦れに気づかないことなどから起こります。ですから、足病変を起こしやすい患者さん(例:足潰瘍・壊疽になったことがある、神経障害を合併している、下肢閉塞性動脈硬化症を合併している、腎不全や人工透析をしている、神経障害の知覚検査に使われる10gの負荷に相当するモノフィラメント5.07が感知できない)では特に、毎日のフットケアが大変重要になります。

毎日足を観察し、簡単な手入れをすることで、糖尿病足病変の発症、重症化を防ぐことができます。毎日の足の観察で、少しでも爪の変形、白癬、胼胝などいつもと違う変化がみられたらすぐに医療機関で受診しましょう。

手の病変

手がこわばる、手指の動きに制限を感じる、痛みがある、などは糖尿病からくる症状の場合があります。腱鞘炎など糖尿病以外の疾患が原因のこともありますので、医療機関を受診して診断を受けるようにしてください。症状や障害の状態によっては整形外科での処置が必要になります。 高血糖の状態が続くと、体の免疫機能が低下して感染症にかかりやすくなります。歯周病は、歯周病原菌が原因で起こる歯周組織の慢性の炎症で、糖尿病による免疫機能の低下や血行不良が歯周病原菌の増殖を抑えることができなくなるため、歯周病が悪化するとされています。
歯周病は糖尿病の重大な合併症の1つで、血糖コントロールが不良になると歯周病は増悪し、また逆に歯周病が重症であるほど血糖コントロールが不良になるなど、糖尿病と歯周病は密接な関係にあることがわかっています。
特に高齢の方、喫煙、肥満、免疫不全の場合で合併率が高まります。


症状と治療・予防

歯周病は、慢性の炎症によって歯肉が赤くなっていたり腫れていて、触れると出血したりする歯肉炎、歯根膜や歯槽骨に炎症が及ぶ歯周炎、進行すると歯根部の歯肉が退縮して歯が長くなったようにみえる歯肉退縮などがみられます。出血のときには膿が出たりすることもあり口臭の原因にもなります。最終的には歯が抜けてしまいます。
原因は歯周病原菌(プラーク)ですから、治療と予防の基本は、歯磨きなどで口の中を清潔に保って菌の除去・増殖を抑えるプラークコントロールです。歯科医で定期的な検査を受け、歯周病が進行していればすぐに治療しましょう。プラークコントロールがきちんとできていれば歯周病の発症・進展のリスクは低くなります。 また、歯周治療を行って慢性の炎症が改善すると、インスリン抵抗性が軽減して血糖コントロールもよくなるといわれています。

認知症

高血糖状態が続いて血管が障害される糖尿病は、脳血管性認知症のみならずアルツハイマー型認知症のリスクファクターにもなります。
認知症とは簡単にいうと生活に支障をきたすような認知機能障害です。ですから、高齢の糖尿病患者さんが認知症になる、逆に認知症の患者さんが糖尿病なっても、まず自己管理が困難になるため糖尿病の血糖コントロールは悪化します。
そのため認知症のケアは糖尿病管理をするうえで大切です。患者さんの身体機能・認知機能・心理的状態をみながら、家族や身近な人のサポートだけでなく、介護保険などの社会サービス(訪問看護など)をできるだけ活用するようにしましょう。可能な限り食事療法・運動療法を続けられるように、経口血糖降下薬・インスリン注射ができるようにすることが、病状を悪化させないためにも重要です。

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