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20代~30代の方
[20代~30代の方]糖尿病は「自分にはまだまだ関係ない」と思っていた。お菓子や油ものの摂取が多く、食生活が乱れがち。
[Q.4]30代にもかかわらず、インスリン治療の開始を先生に打診されています。インスリン治療は一生続けなければならないのでしょうか?
黒木康雄先生
A.4食後に血糖値が上昇すると、すい臓のβ細胞からインスリンが産生され、インスリンの働きでブドウ糖をいろいろな臓器に取り込むことによって、血糖値が下がります。暴飲暴食などで血糖値が上がりすぎると、β細胞は頑張ってたくさんのインスリンを産生しなければなりません。さらに、運動不足が重なると、インスリンの効きが悪くなり、血糖値が下がりにくくなってしまいます。

主治医の先生から、インスリン治療を打診されたということは、すい臓のβ細胞が頑張り過ぎて疲弊してしまい、インスリンを必要なだけ産生できなくなった状態、結果として血糖コントロールがかなり悪くなっていることが考えられます。インスリン療法は、こうした不足しているインスリンを体の外から注射で補う治療であり、人間が持つ本来の血糖降下作用を補う、身体にやさしい治療法といえます。

高血糖状態が長く続くと、糖毒性といって飲み薬が非常に効きにくくなります。そうした場合にも、インスリンを使って速やかに血糖値を下げてあげることで、お薬の効きが良くなってきます。さらに、体外からインスリンを注射することで、すい臓がインスリンを分泌する負担を軽くして、すい臓を休ませる効果もあります。休息によりすい臓のβ細胞の働きも、回復することが期待されます。

生活習慣を見直し、暴飲暴食を控えて適度な運動の習慣を身につけていくことで、血糖コントロールの改善が期待できます。そうすればインスリンの必要量が減り、すい臓の機能が残っている若いうちであれば、インスリン治療をやめることも十分可能です。最近の糖尿病治療の考え方として、すい臓の機能が十分に残っている、早期の糖尿病患者さんからインスリン治療を開始することが推奨されています。自分の中だけで不安になり迷っているだけではなく、ぜひ主治医の先生とじっくり相談してみてください。
先生からのメッセージ
30代の若い世代の方は、仕事やプライベートでも日常生活が不規則になり、暴飲暴食や運動不足になることも多いかと思います。私の診ている患者さんでも、不規則な日常生活や厳しい仕事のストレスによってすい臓が疲弊し、著しい高血糖となって来院される方が、ときどきいらっしゃいます。こうしたときに、速やかにインスリン治療を導入することで、早期の血糖コントロールとともにすい臓の働きの回復も期待でき、インスリン治療を中止することが可能となります。
糖尿病と向きあっていくためには、日常生活の改善が一番大事なことですが、必要な時期に躊躇なくインスリン治療を開始することが、すい臓の疲弊を防ぎ、将来的な合併症を予防するためにも望ましいと考えます。
黒木康雄先生 施設名:医療法人社団顕鐘会 神戸百年記念病院 診療科:糖尿病・内分泌内科 ●医療法人社団顕鐘会 神戸百年記念病院 〒652-0855 兵庫県神戸市兵庫区御崎町1-9-1 Tel:078-681-6111(代表)
黒木康雄先生
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