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自営業の方
[自営業の方]代わりの人間がおらず、休みを取るのが難しい。健康診断は自分で受けなければならない。
[Q.4]自分の代わりに働いてくれる人がいないので休みが全く取れず、定期的な通院や入院が困難です。「インスリン治療開始には入院が必要」と聞いたことがあるのですが、このような状況でインスリン治療は可能ですか?
佐藤利昭先生
A.4自分の代わりに働いてくれる人がいないので、休みが全く取れず、定期的な通院や入院が困難とのことですが、入院をしなくても外来でインスリンを始めることは可能です。入院でのインスリン導入に比べて、外来でのインスリン導入は血糖コントロールの改善に時間はかかりますが、生活の注意がともなえば確実に良くなります。

ただ、通院もできないとなりますと、糖尿病の治療は不可能と思われます。受診間隔については、ある程度考慮、相談が可能ですので、まず、定期通院できる環境整備をお願いしたいと思います。一人でのお仕事ということで、時間の調整が難しいことはよく理解できます。しかし、あなたに必要な治療を先送りにして病気をさらに悪化させることの方が、代わりがいないあなたにとって損失が大きいのではないかと心配いたします。

入院することなくインスリン治療を開始する方法として、BOT(Basal-Supported Oral Therapy)という治療法が広まってきています。BOTとは、飲み薬と1日1回の「持効型」と呼ばれるインスリン注射を併用する治療法です。従来の治療法では、飲み薬をやめてインスリン注射だけで血糖値をコントロールするために、生活や病状にあったインスリン注射の進め方を入院を通して調整していくことも多くみられました。

しかし、この治療法では、今までの飲み薬を完全にやめてしまうわけではないため、インスリンを打つべき量の調整が容易になりました。また、インスリンを注射する機器の進歩によって、注射の仕方を学ぶことも以前に比べて容易になったので、入院することなくインスリン治療を開始される方も多くいらっしゃいます。インスリン治療は血糖コントロールが難しくなってから開始するよりも、より早期に開始したほうが良好な血糖コントロールが実現しやすく、合併症などの発症リスクも少ないという研究報告が多くなされています。

長い目で見た場合、通院や入院で時間がとられる目先のデメリットよりも、早めに適切な治療をすることで改善が見込めることのほうが、お仕事を続ける上でのメリットが大きいのではと思います。主治医の先生にご相談の上、あなたにあった治療を選択いただければと思います。
先生からのメッセージ
インスリン治療の開始にあたって入院されることを嫌がる患者さんも多くいらっしゃいますが、私は患者さんのためにも、できれば入院することをお勧めしています。入院することで、よりスムーズにインスリン治療を開始できますが、それよりも患者さんにとっては、良好な血糖コントロールの実現に向けて最も大切な食事や運動などの生活習慣について改めて学んでいただき、考えていただくよい機会となるからです。
しかし、お時間のない患者さんもたくさんいらっしゃいますので、全ての患者さんにというわけにはいかず、外来でインスリン治療を開始する場合も少なくありません。そのような場合でも、この機会に主治医の先生に食事や運動についても、是非ご相談ください。
佐藤利昭先生 施設名:日本赤十字社 松江赤十字病院 診療科:糖尿病・内分泌内科 ●日本赤十字社 松江赤十字病院 〒690-8506 島根県松江市母衣町200 TEL:0852-24-2111
佐藤利昭先生
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