インスリン注射とは? 注射の仕方は?
扱い方は?

■インスリン注射とは?
【インスリン注射は、不足しているインスリンを体外から補い、血糖値を下げる治療法です】
インスリンの分泌が不足している場合に注射をして、体外から不足分を補うのです。インスリンは、すい臓から出されるホルモンで、血液中のブドウ糖を全身の細胞が利用できるようにしたり、脂肪や筋肉などに蓄えさせたりする働きをもっています。

この働きによって、血糖値を適正範囲内にコントロールしているのです。

糖尿病は、インスリンの量が不十分だったり、働きが悪いために血糖値が高くなる病気です。

不足しているインスリンを体外から注射で補うことによって、血糖値を下げる治療法がインスリン注射です。
 

【インスリン注射を行うのは、どんな時でしょう?】
1型糖尿病の場合は、からだの中でインスリンをまったく、またはほとんど作り出すことができないため、生命維持のためにインスリンを補う必要があります。 

2型糖尿病の場合は、まず食事療法と運動療法で血糖をコントロールする事が基本です。体内のインスリンが不足して、食事と運動療法に加えて経口薬を使用しても十分に血糖コントロールができないときにインスリン注射が必要になります。

また、ふだんは食事・運動療法や経口薬だけで血糖コントロールができている人でも、一時的にインスリン療法が必要になることがあります。風邪などの感染症、外傷、手術、妊娠、出産などの大きなストレスが加わると、インスリンの分泌が抑えられたり、働きが悪くなるため、その間はインスリンを補う必要があります。



■扱い方は?
インスリンの保管方法/取り扱い上の注意
インスリンは遮光、2℃〜8℃(冷蔵庫の扉のタマゴの近くへ)の保管が基本です。しかし、温度は室温であれば数ヵ月放置しても問題ありません。

使用中のインスリンが少なくなった場合や、長期出張などで予備のインスリンを持ち運ぶ時などは、遮光に気をつければ室温でも大丈夫です。

万一、凍らせてしまったインスリンは、一定の効き目が得られなくなりますので溶かしても使用できません

インスリン製剤には、使用期限が記載してあります。いつも確認して、期限内のものを使用しますが、期限が切れても効果が急になくなったりしません。
新しいインスリンをもらうまでの応急処置として、できるだけ短期間なら使用で
きます。



■注射の仕方は?
インスリンは、原則として食事の15〜30分前に自己注射します。
ただし、超速効型インスリン製剤は食直前に注射します。
注射する部位は、腹壁(お腹)、上腕、太ももなどです。

◆インスリンの注射部位
注射部位は図に示した箇所ですが、自己注射では腹壁(お腹)や太ももがやりやすいと思います。ただ、注射部位によってインスリンの吸収が若干差がありますから、主治医や薬剤師、看護婦に相談してください。
なお、注射は同じ注射部位内で、少しずつずらします(これをローテーションといいます) が、原則として、(今回はお腹で次は太もも、明日は腕のように)注射部位を毎回変えることはしません。

皮下注射の打ち方
(A) (B)
皮膚と筋肉との間にある皮下組織の部分に注射する。 皮膚をつまんで、まっすぐに
針を刺す。
(C)  
皮下脂肪の薄い人は、45度の角度で刺 すようにするとよい。  
 


【インスリン注射は、だれでも簡単にできます。】
インスリン注射は、面倒でむずかしいと思っていませんか? 薬や注射器がどんどん進歩して、とても簡単に注射できるようになっています。

「ペン型(万年筆型)インスリン注入器」というとても便利な注射器が開発されて、手軽にインスリン注射ができます。注射を行う際、薬の量を間違えることもありません。

ペン型インスリン注入器には、カートリッジタイプと使い捨てタイプがあります。
注射をする前に、次の4つのことをしっかり覚えておくようにしましょう。

(1) 自分が注射するインスリンの名前
(2) そのインスリンの種類(超速効型・速効型・中間型・混合型・持続型)
(3) 注射回数(時刻――いつ注射するのか)

なお、インスリン製剤には下記の2つの種類がありましたが、 現在は100単位*製剤へ統一されました。
・40単位製剤(1mLあたり40単位のインスリンが含まれている)
・100単位製剤(1mLあたり100単位のインスリンが含まれている)
*単位とは、インスリン注射をするときのインスリンの量のことです。


【インスリン注射をするとき、注意しなければならないことは?】
もっとも注意が必要なのは、低血糖です。
薬の量が多すぎたり、注射後30分以内(超速効型インスリン製剤を使っている場合は注射後すぐ)に食事をとらなかったり、激しい運動をしたりすると血糖値が下がりすぎてしまうことがあります。


インスリンは劇薬です。小さなお子様の手の届かない場所に、責任をもって保管する必要があります。
使用済みの針や使い捨て注射器の廃棄方法は、主治医や薬剤師、または看護婦に確認してください。





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