新しいタイプの経口薬の開発 その他の研究
インスリン製剤の純粋化  

■新しいタイプの経口薬の開発
糖尿病治療の研究開発は、日進月歩のめざましさ。その行く手には、根本治療の可能性も見え始めています。
2003年に、遺伝子研究の分野でヒトゲノムプロジェクトが終了し、今後は人間の全遺伝子の機能が明らかになると思われます。そうなると、遺伝子工学を応用した治療法も次々に開発されるでしょう。
ヒトゲノム情報を応用した薬剤の研究も進んで、経口薬もインスリン製剤も、より安全で使いやすいものが生まれてくるでしょう。
こうした研究開発は、糖尿病にかかっている人のQOL(生活の質)の向上に大きく貢献するはずです。



■インスリン製剤の純粋化
人間の体にそなわっている生理的なインスリン分泌にできる限り近づけることを目指して研究が進められています。

24時間安定した基礎分泌が得られる持効型溶解インスリンアナログ製剤が開発され、 治療に使用できるようになりました。

作用が現れるまでの時間を大幅に短縮した超速効型インスリン製剤が開発され、
治療に使用できるようになりました。

インスリン注射に代わる新しい投与方法の可能性も探っています。たとえばインスリンを肺から吸収する「吸入型インスリン」などの臨床応用が始まっています。



■その他の研究
【インスリン分泌機能を取り戻す研究】
すい臓移植
現在行われている国もありますが、ドナーの不足や免疫抑制剤が必要なことなど問題点も多く、これに代わるインスリン分泌機能回復の方法が研究されています。

ランゲルハンス島細胞の移植
心臓の停止した人のすい臓からインスリン分泌機能をもつランゲルハンス島β細胞だけをとりだして移植する方法です。移植は、開腹をしないでも長い針を使って肝臓に注入します。

人工ランゲルハンス島β細胞
人工的にインスリン分泌細胞をつくる研究が進んでいます。たとえば、特殊な膜で免疫反応を防ぎながら、ブドウ糖やインスリンを通過させるカプセルをつくって、その中にインスリンを分泌する細胞を閉じ込めて人体にうめ込む方法。血糖の変化をキャッチするブドウ糖センサーと、インスリン量を計算するコンピュータと、インスリンを自動的に出す貯臓器を組み合わせて、体内に植えこむ方法、など。

遺伝子工学を応用して、患者さん自身のランゲルハンス島β細胞を再生させる方法を見つけようとする試みもされています。

ランゲルハンス島β細胞以外の細胞に、インスリン分泌機能をもたせる研究も始められています。

【インスリンの働きを阻害する化学物質を取り除く研究や、副作用の少ない免疫療法の研究】
研究が今後進んでいくと、糖尿病の予防も夢ではなくなるでしょう。





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