なぜ、食事制限が必要なの? 1日の指示エネルギー量とは?
どんな食事をすればいいの? 食事指示票(食事指導票)は、どう使うの?
食事のチェックポイントは? 食事療法を成功させるコツは?

■なぜ、食事制限が必要なの?
そもそも血糖値が上がってしまうのは、糖分の利用や処理が追いつかないためです。
糖尿病になると、インスリンの分泌や働きが悪くなるため、食事からとったブドウ糖が体内でうまく利用されなくなります。利用されないブドウ糖が血液の中にたまって血糖が上がります。

食事によって体内に入るブドウ糖の量そのものを調節する食事療法が、糖尿病治療に必要なのです。
食事をきちんと制限しておかないと、他の治療を行ってもなかなか効果は上がりません。



■どんな食事をすればいいの?
【適正なエネルギー量の食事を心がけましょう。】
糖尿病の人の年齢や性別、身体の大きさ、運動量によって適正なエネルギー量はひとりひとり違います。医療スタッフに決めてもらいましょう。

【栄養のバランスがとれた食事を心がけましょう。】
食事療法では、食べてはいけない食品というのはあまりありませんから、いろいろな食品をとり合わせて、からだに必要な栄養をバランスよくとることが大切です。

【規則的な食事習慣を心がけましょう。】
糖尿病では、1日の総エネルギー量を3食にわけて、できるだけ均等に食べることが大切です。「まとめ食い」をすると血糖のコントロールがうまくいきません。

できるだけ毎日、決まった時間に食事をとることを心がけ、食事時間は余裕を持ってゆっくりとりましょう。



■食事のチェックポイントは?
【食生活のチェックポイント】

食べる量は?
多すぎませんか。
満腹になるまで食べていませんか。
腹八分目ですか。

食事の内容は?
甘いものや油っこいものをとりすぎていませんか。
野菜嫌いではありませんか。
毎日同じものばかり食べていませんか。
バランスのよい食事をしていますか。

食事の時間は?
毎日だいたい同じ時間に食事をしていますか。
夜遅く夕食をとって、すぐ寝ていませんか。
夜9時以降に食事をとっていませんか。

食べるスピードは?
早食いが習慣になっていませんか。
よく噛んで食べていますか。

1日の食事のバランスは?
朝食を抜いていませんか。
昼食は軽めに早くすませていませんか。
夕食をドカッとまとめ食いしていませんか。

間食は?
おやつに甘いものを食べるくせがついていませんか。
テレビを見ながらお菓子をつまんでいませんか。



■1日の指示エネルギー量とは?
医師から1日の摂取エネルギー量を指示されても、ふだん食べている食品がどのくらいのエネルギー量(カロリー数)なのかわからなければ、食事療法はうまくできません。

「食品交換表」ではさまざまな食品について80Kcalを1単位と決めて、1単位分の各食品が何グラムか、が書かれています。
表は6種類あって、各表には栄養素組成の似たものがまとめられています。表の中の同じ単位数どうしなら、どの食品をとってもよいのです。

「食品交換表」には、砂糖や調味料、アルコール飲料、嗜好品、外食などについてもくわしく解説してあります。

◆食品交換表
分 類
食品
1単位80kcal中
の栄養素(平均)

 糖質:18g
 たんぱく質:2g

 糖質:20g

 たんぱく質:9g
 脂質:5g

 糖質:6g
 たんぱく質:4g
 脂肪:5g

 脂肪:9g

 糖質:13g
 たんぱく質:5g
 脂肪:1g
砂糖、みそ、みりん、トマトケチャップなど
(日本糖尿病学会編:糖尿病食事療法のための食品交換表、第5版、8頁、
日本糖尿病協会/文光堂、1996年)
「日本糖尿病学会編「糖尿病食事療法のための食品交換表」に関する掲載・記述については、社団法人日本糖尿病学会の引用使用許可を得ています.リンクあるいは転用などを行う場合は必ず該当する部分のデータあるいはプリントアウトを添付するなどして同学会の引用許諾を得てください.」



■食事指示票(食事指導票)は、どう使うの?
糖尿病の人が食事からとる適正エネルギー量は、ひとりひとり違います。1日に食べる適正量を指示エネルギー量といい、主治医が標準体重をもとに、病態、運動量、肥満度、年齢、性別などを考慮して決めます。
指示エネルギー量や食事療法を始めるときに知っておくことなどを記した指導の手引きとなるのが食事指示票です。医師や医療スタッフから渡されます。

食事指示票の例



■食事療法を成功させるコツは?
【食事の工夫をしましょう】
食事療法のパートナーとも言われる「食品交換表」を上手に使いこなすためには、ただまねをするだけではなく、チョットした工夫を加えることが大切です。

香辛料や酢、レモンなどを使ってうす味に。
香辛料や酢、レモンなどを使ってうす味に。うす味にしただけでは、おいしくないことがあります。香辛料や酢、レモンなどを上手に使って味を引きたて、おいしく食べられるよう工夫しましょう。

おかずは少量ずつ、品数を多く。
食事の量が制限されると、食卓がさびしくなりがちです。おかず一品の量を減らして、その分品数をふやせば満足感が得られます。

コンニャク、きのこ、野菜など食物繊維をたっぷりと。
食物繊維は食後の血糖上昇をおさえるなどの作用があります。また食物繊維を多く含む食品はボリュームのあるものが多いので、食事のカサをふやす効果もあります。

じっくりとよく噛んで食べましょう。
よく噛まずに急いで食べると満腹感が得られません。そのため、つい食べすぎてしまったりします。





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