インスリン療法って何ですか? ふだん気をつけなくてはならないことは?
学校で上手にインスリン注射をするコツ  

■インスリン療法って何ですか?


糖尿病は、インスリンというホルモンがすい臓で十分につくられないか、あるいはつくられても体の組織がインスリンにうまく反応しないときに起こります。
1型糖尿病は、すい臓でインスリンがまったくつくられないため、体の外からインスリンを補うことが必要です。
インスリン療法はいまのところ注射が一般的ですが、将来は注射以外の方法も開発されるでしょう。

【インスリン注射は、一生続けなければならないのですか?】
1型糖尿病の場合、1度つくられなくなったインスリンが、その後にまたすい臓から分泌されるようになることはありません。
そのため、インスリン注射は一生続けなくてはならないのです。
将来は、インスリンをつくる細胞を移植する治療ができるようになるかもしれません。
移植が可能になると、体の外からインスリンを補給しなくてもすむようになります。

【1日に何回くらい注射するのですか?】
注射の回数やインスリンの種類は、お子さんの年齢やその他の条件を総合的に考えて、お医者さんが決めてくれます。
十分理解できるまで、お医者さんとよく話し合いましょう。

【血糖値はどうすればわかるのですか?】
自分で測定します。
最近は、簡単に血糖を測ることができる便利な血糖測定器が開発されていますので、子どもでも自分で手軽に血糖を測ることができます。

血糖は、いろいろな時間にバランスよく測定することが大切です。

1日の血糖の変化や、1週間・1か月ごとの生活パターンを把握して、どのようなときにどのように血糖が変化するかを記録し、それをお医者さんに見せて指導してもらいましょう。




■学校で上手にインスリン注射をするコツ
【いつ?】
学校では、給食を食べる前にインスリン注射をします。
将来は、食事のすぐあとに注射をしても、すぐに効果があらわれるインスリンが使えるようになるでしょう。

【どこで?】
教室でする人もいれば、保健室でするという人もいます。中には、トイレでするという人もいます。
要するに、インスリン注射はどこでしてもいいのです。
やりやすいところでしましょう。

【インスリンを持っていくのを忘れたときは?】
とにかく、家に取りに帰りましょう。
最近は、使い捨てのインスリン注射もあります。
お医者さんと相談して、学校のロッカーや机の中に、使い捨てのインスリン注射を予備としておいておくとよいでしょう。

養護の先生にお願いして、学校の保健室に予備をおいておくのもいいと思います。





■ふだん気をつけなくてはならないことは?
インスリン注射で治療をしているときは、血糖が下がりすぎることがあるので、 注意が必要です。
血糖が下がりすぎていろいろな症状が出たときの状態を低血糖といいます。

【低血糖の症状】
冷や汗をかいたり、手や指がふるえるなどの症状が現れます(表)。

小さな子どもの場合、症状をうまく訴えることができず、泣き叫んだり、不機嫌で怒りっぽくなり、聞き分けがなくなったり、いままで活発だった子どもが急に静かになったりします。



【低血糖になったときはどうすればいいの?】
低血糖かなと思ったら、すぐに糖分をとりましょう。
すると、普通は数分で普段の状態に戻ります。
症状が改善しないときは観察を続けます。
はっきりしない場合は、すぐに医師にみてもらいましょう
グルカゴンという血糖をあげる作用のある注射があります。
万が一のときのためにグルカゴン注射が必要だとお医者さんが判断すれば、グルカゴンを処方してくれます。

低血糖の症状と処置の方法
軽い場合
症状
空腹感、動悸、冷や汗、手や指がふるえる、手やほほがつめたくなる、落ち着かずいらいらする、顔が青白くなるなど。
処置
ビスケットやチョコレートなどを食べる。
中くらいの
場合
症状
頭痛、体がふらつく、目がかすむ、異常行動など。
処置
砂糖水やジュースを飲む。症状が落ち着いたあとは、できるだけ食事をとる。
重い場合
症状
意識混乱、昏睡状態になるほか、ひきつけたり、 けいれんを起こすこともある。 
処置
ブドウ糖の静脈注射、あるいはグルカゴンの皮下注射をしてもらう。意識が回復したあとは、ジュースなどを補給する。

【低血糖をこわがりすぎないようにすることも大切】
低血糖に対しては、すぐに適切な処置をしなくてはなりませんが、低血糖をこわがりすぎないようにすることも大切です。
みなさんの体にはもともと血糖をあげる力が備わっていますし、体内のインスリンの作用は、一時的に過剰になっても、時間がたつと効果がなくなってきます。
この二つの作用が相まって、低血糖の状態は改善され、高血糖になることも多いのです。
ですから、低血糖をおそれることなく、あなたの体に必要とされるインスリンは十分におぎなってあげましょう。





Copyright(C)2001-2006 sanofi-aventis K.K. All rights reserved.